義烏市場における商談について


貿易は、自社で1コンテナに仕立てられるかが肝要である。それが出来ないと商売としてなかなか成り立たない。しかし、貿易ビギナーは最初から1コンテナ数百万円のリスクを背負う事は難しい。そこで手っ取り早く買付けの世界に足を踏み込めるのが、10万点以上の小商品が取り扱われ、活気あふれる日用品雑貨卸市場の街「義烏」である。ここの最大の特徴は、小ロット(数量)・多品種・低価格で商品仕入れが可能なことだ。

一般的なパターンは、地元の貿易仲介業者兼通訳と市場内を回り、興味あるブースで商談買付けを行う。値引き交渉は中国人通訳を介して粘り強く行い、外国人価格を排除出来れば最高である。まとまった数量を購入する場合は市場で商品を見つけた後、近隣に生産工場があれば直接出向くのが得策である。買付けした様々な商品は貿易業者の倉庫に集められ、混載コンテナに仕立てられ日本に輸出される。代金決済は義烏では、1ブースで1コンテナ分の商品を買うことはまずないのでL/C(信用状)はほとんど使われない。中国で前金を支払い、残金は取りまとめをする仲介業者に、日本から後日TT(電信)送金する場合が多い。

最小販売ロットは、各ブース様々である。数個で売ってくれる所もあれば、百個以上とかダンボール一箱単位でしか売ってくれない場合もある。義烏以外で商談する場合は、一商品千個単位とか一万個以上と言われる場合もあるので、それに較べればはるかに購入しやすい。しかし、小口購入は段々難しくなって来ている。数年前は「サンプルとして買う」と言ったりしたが、日本人は一般的に数量は少ないのに品質は厳しいので、「日本人と取引しなくても、いくらでも注文はある」と言うスタンスの所も増えている。

また、義烏は主に中国人向けの中級品を扱う市場であり、検品が必要となる場合がある。中近東などのバイヤーは不良品が混じっていても、元々が低価格なので、歩留りを追及し検品はほとんどしない。日本では全てに厳格な品質が求められる。品質は年々向上している。しかし、この市場は余剰在庫・B級品・一流企業のアンテナショップ商品などが混在していることを忘れてはならない。見極めが大事である。

義烏市場が今後ますます発展していく魅力ある市場である事は間違いない。貿易には様々なリスクが伴うが、同市場においてもそれを一つ一つ解決し、前向きに取り組んでいくことが大切だと思う。

最後に、交易部会が今後果たせる役割としては、貿易ノウハウの習得に努め、貿易をしたい会員を多く募り、ビジネスツアーを派遣するなど商談の場を多く提供することではないだろうか。その結果、混載便を仕立てることができ、その後交易部会員が独り立ちできればこの上ない。それがひいては、鹿児島と中国の経済交流の活発化にもつながるはずだ。









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